俺たちが乗っているこの艦から発射された対潜ミサイルは確実に魚雷発射をしてきた潜水艦に向かっている
技術力で圧倒的な力を持つこの艦の兵装を利用すればあらゆる事態に対応できる
今回の攻撃で使用しているものは無弾頭魚雷である。
それに自動追跡のための照準は潜水艦のスクリューに向けられている
ピンガーを使って向かっているので外すことなどありえない
『こちらの世界』にはまだない装備である
『相手である潜水艦』は直線コースで来ると思っているはず
ピンガーによる追尾されるとは考えているはずがない

「あまりいじめるようなことはしたくないのだがな」

「艦長。我々も同じです。ですがこの艦を守るためには必要なことではありませんか?」

俺たちがいるこの艦の技術は極めて高い
おまけにこの世界には『技術がないので存在しないはずの人工衛星』もあるのだから
情報封鎖は絶対にしなければいけないことはわかっているのだから

「確かにそうだな。ところで副長。潜水艦との直撃まであとどれくらいだ?」

「まもなく接触します」

兵器運用管制官をしている精霊さんからの回答に魚雷と接触した潜水艦から新たな攻撃があれば、
自衛権を行使しろと命令した。こちらを攻撃したのだから自業自得だ。
静かに追跡しているぐらいならまだ良かった。だが迷惑なことをしてきたのなら話は大きく異なってくる
この艦を守る艦長としてやるからには絶大な破壊力を見せる必要があるかもしれない

「艦長!こちらの魚雷が命中。無弾頭魚雷ですがスクリューが大破したようです」

ソナーを担当していた精霊さんはさらに第2射があることも報告してきた

「方位007、距離1500mから魚雷がまっすぐ突っ込んできます!」

「速力を最大まで引き上げて魚雷コースから退避しろ!」

魚雷はまっすぐこちらに向かっている
ピンガーによる誘導魚雷でないことはほぼ間違いない

「魚雷はまっすぐ来ているのか?」

「はい!まもなくその地点に到達します」

そしてその場所で爆発してしまった
精霊さんはあと10秒発見が遅かったらこちらが終わりでしたと答えた
完全に敵対的行動をしているのと同じである。こちらのことを見極めるための行動なのか?
それともこの艦の能力を調べるためなのかが分からない

「それにしてもどうしてここまで急に行動してきたのか」

「私も同じ意見です。あまりにも急激な動きです。政治で何か動きがあったのかもしれません」

政治に対する対応はかなり難しいことはわかっている
政治家は自らの欲を前面に出してくるからである
だからこそ面倒な状況なのだ