俺達はいまだに姿をとらえることができない潜水艦を探していた
よほどのんびり行動しているのか。こちらの高性能ソナーに探知されていない
つまりスクリューをほとんど回転させていないのだろう
アクティブピンガーを打てばすぐにわかるのだが。それではこちらの現在位置まで向こうにわかってしまう
それは非常に好ましい事とは言えない。できることなら穏やかに解決してやりたいところだ
俺にだって情はある。人殺しのようなことはしたくない。だがこの艦の艦長として守る責務があるのだ
やる時にはしっかりとこの艦を守るために行動を実行する。

「こちらに位置を察知されないように徹底対策をしているようだな」

本当に大変なのはこれからである
今度はどんな攻撃を仕掛けてくるのかわからない
潜水艦であることからソナーで探知されるわずかな海の中の音を見逃すわけにはいかない

「ソナーに反応があったら次は攻撃を開始する」

俺はそう指示するとソナー担当の精霊さんは素早く対応できるように準備に入った
兵器管制担当の精霊さんも対潜攻撃の準備に入った
あとはじっくりと待つだけである

「艦長。ソナーに微弱のスクリュー音を探知。方位120度。距離2000m」

ソナー担当の精霊さんからの報告に俺はすぐに対潜ミサイルの用意を指示した
あちらが何かアクションを起こしたらすぐに対潜ミサイルを撃ち込む
弾頭を外してスクリューだけを破壊する。
極めて繊細な作業だがこの艦の性能と精霊さんたちの能力なら実行可能なはず
こちらの目標は撃沈ではなくて識別をすることが目的なのだから
敵なのかどうかを見極めることは極めて重要である

「スクリュー音を発しているのはかなりゆっくりとです。速力5ノット以下と思われます」

「こちらへの攻撃の様子はあるのか?」

「今のところはその様子はありません」

ですが警戒態勢を維持しますと俺に報告してきた
些細な事も見逃すわけにはいかないのだから仕方がない

「本当にどこの連中だろうな。ブルーマーメイドとホワイトドルフィンとは友好的な関係がある」

そのためその両者からいきなり攻撃を仕掛けてくるとは思えない
つまり第三者勢力による攻撃と考えた方がしっくりとくる
問題はその第三者の勢力がどこの連中なのかわからないことであることだ
分かればすぐに対応方法が模索できるのだが

「今のこの海域は嫌な場所になっていることだけは間違いない」

安全確保のために最善を尽くすが、
こちらに攻撃を仕掛けてきたのがどこの勢力なのかわからないのに撃沈するわけにはいかない

「とにかく割り出す作業を続けるしかないな。必要なら人工衛星を利用してでも割り出す」

低軌道を周回している人工衛星から衛星画像を記録させてこちらに送信してもらう
そうすれば少しは何かわかるかもしれないのだから