西ノ島新島の近くで集結予定だった艦船はすべて集まった。
アニメでははれかぜは遅刻していたがここではそうはならなかった
とりあえず俺は自分の艦船、ライチを少し離れた位置で停泊させた。
精霊たちも疲れを感じているようなので交代で休みをとるように指示を出した
そういう自分も同じだが。今は休んでいられる状況ではない
もし何かあれば大問題だ。火器管制システムは一応いつでも作動できる状態だが
今のところ異常はない。何事もなければいいのだが。
宗谷真霜さんははれかぜに移ってもらった

『ブルーマーメイドの宗谷真霜です。ほかの艦でもネズミと思われる生物を確認、確保しました』

「こちらライチ、了解。こちらでも分析が続けている。異常行動をする者がいれば海水でもかけてやれ」

『海水ですか?』

理由を知っているが答えるわけにはいかないので遠回しに答えた

「海に生きているなら海水で顔でも洗えとな」

『わかりました』

真実を話せないというのも苦労するものだ。その時だ。CICでソナー監視をしていた精霊が何かの音を聞いた

「艦長。方位300度、距離3000m、深度70mから推進音を探知」

「魚雷攻撃?」

「いえ、速度から見て潜水艦と思われます。伊201と思われますが詳細なデータが無いので判断はできず」

「引き続き監視を続行。魚雷攻撃を仕掛けてきた時に備えて対応準備を」

対潜ミサイルにデータを入力するように指示を俺は出した。
高性能なイージスシステム搭載運用艦だ。包囲網は鉄壁の方が良い

「平和ですね」

「そうだと良いがな」

精霊の言う通り平和だ。だが平和とはすぐに壊れてしまうものだ
どんな些細なことでも見逃せない。

「言っているそばからこれですか」

「仕方がない。見慣れない船に興味があるのだろう」

「艦長、我々は劇場の出し物というところですか」

レーダー監視をしていた精霊の言葉に誰もが苦笑いをした
確かにその通りだ。今の我々は劇場の出し物だ

「楽しんでみるか」

「艦長、我々にも物資の補給は期待できないんですよ」

確かにその通りだ。神様からアーレイバーク級駆逐艦はもらったが補給用の物資はない。
ミサイルを使えば消耗するだけだ。温存するに限る。

「そうだな。だがソナーには気をつけろ。潜水艦からいきなり魚雷という事もある」

「了解」

俺としても早く本土に近づきたいと思っている。
そして交渉して物資の補給などについてめどをつけたいと考えていた
いづれにしてもブルーマーメイドや海上安全整備局などとの協議をしたいと思っていた

「艦長。話し合いのため合流したいとの無線連絡ありです」

「すぐに了承の返事を出して。機関始動開始」

『ブリッジ、了解。これより集合地点に向かう。レーダー警戒は任せたり』

「この船を犠牲にはしないよ」