結局のところ、俺は束さんの護衛役をした時から分かっていたのかもしれない
いづれこうなるかもしれないという事を

「ねぇ、いっくん!今日の夕食は何~?」

「今日はカレーです。それでお仕事の方はいかがですか?」

「いっくんの料理のおかげで毎日順調だよ。ところでいっくん。どうしてISに乗れるのに嫌うの?」

そう、ついこの間。なんとなく触ってしまったら起動してしまったのだ。
だが俺にはそんな物はどうでも良い。俺にとって大事なのはここまで生きてくることができた銃が最高の相棒だ
今更乗り換えるつもりは無い。

「俺にとって最高の相棒は銃だけです」

「せっかく面白いアイデアを考え付いたんだけど~」

「束さん。無茶を言うなら出ていきますよ」

そう言うと泣きついてきた。だめだよ~と言って
仕方がない。束さんは料理とかは苦手なのだ。こういったらあれだが俺が来るまでどんな食生活をしていたんだか
だからそれを切り札のカードにしていつもはやり過ごしていた

「俺はISに関わるつもりはありませんので」

束さんの護衛だからここにいるのであってISに乗るのは契約外だ。
俺は契約しているから一緒にいるのであって。そうでなければとっくに出ていっている
依頼はいくらでもあるのだから。俺はいまでもいくつかの依頼を週に何度か受けている。
おかげで俺の銀行口座は桁がすごいことになっている。いったいどうやったらこんなに稼げるのか調べないのか
政府が甘い調査で良かったと思っている。
ちなみに学校はもう行っていない。興味がないからだ。それに自習で十分間に合っている。
今さら、同年齢の連中と一緒に過ごすとかは考えられない
今のこの生活が何となく好きだ。自由だし、
それに俺はISは嫌いだ。人同士の争いの元だからだ
あれがなければ、俺は誘拐されることもなければ千冬姉にも迷惑をかける事は無かった
油断していたのだ。まさか誘拐されるとは

「いっくん。どうしてそんなに銃にこだわるの?」

「銃は決して裏切らない。手間暇さえかければ最高の相棒だから」

それだけだ。別に友人が欲しくないとかと言う意味ではない
ただ、俺と友人になれば誘拐対象とされる可能性がある。親しい友人を傷つけるのが怖いのだ。
もう2度と。俺の大切な人を奪われないようにするために
だから俺は殺し屋のような真似をしているのだ。いつかあの大切な人を殺した女に復讐するために
そのために技術を身に着けてきたのだ。最初は失敗もした。でも今では狙った獲物は必ず仕留め倒す事から猟犬と呼ばれている
俺としては仕事が受けやすくなって嬉しい限りだが。千冬姉が知ればどうなる事やら