騒動が一段階ついた時、俺はまた呼び出された。ただし今回は学園長室ではなく生徒会室だったが
室内には楯無のほかにのんびりしている女子がいた。さらに眼鏡をかけたいかにも仕事できる秘書みたいな女子も

「どういうことか1から10まで説明してくれるわよね」

「悪いがこっちにも守秘義務っていうのがあるんだ。俺の行為は篠ノ之箒を守る。そのためならあらゆる情報を封鎖する権限がある」

楯無はどうして俺にそこまで苛立っているのかは分かっている
何もできなかった自分が不甲斐ないと思っているのだろう

「あなたのしたことは明らかに異常よ!銃弾でシールドを破れるわけが!」

「それについては俺は学園と契約を結んだ時に約束したはずだ。俺は俺が抱える一切の秘密を明かさない事を条件に警備を担当すると」

そう、束さんからの脅しのおかげでこの無茶な合意が成立したのだ
感謝して今度は俺の手料理でお礼をしておかないとな

「‥………こっちは良いのよ。あなた1人消すくらい」

「ならこっちは面白い事を教えてやるよ。もし俺に何かあればフェンリルが動く。事の重大さは理解したか」

フェンリルといった瞬間、楯無の顔色が変わった。さすがは裏社会の事をよく知っている事のだけはある
フェンリルの名前を聞いて恐れない者は少ない。たいていの人間はフェンリルに関わろうとはしない
何故ならフェンリルは世界でも有数のテロリストだからだ。いや、テロ行為もすれば金さえ払えば何でもしてくれる
拉致監禁。殺人もいとわない。俺は保険をかけておいた。俺が死亡すればその原因を作ったものに仕返しをするように
毎月一定金額を送金して保険としている

「あなた。まさか」

「ご想像通りだろう。俺はフェンリルの生徒だ。だからあまりしつこいとどうなるか」

次に俺に敵対したら、妹が天国に行くことになると警告してやると余計にむきになる
プロとしては1流とは言えない。俺は生徒会室を出ると警備室に戻った。警備室には俺専用のスペースが確保されている
なにかあった時ここからなすぐに情報確認ができるからだ

「それにしてもだ。本当にISの絶対防御を貫通することができるとは、驚きだな」

本当に撃ってみなければわからないと聞かされていたため、その銃の発砲による反動は思いのほかだった
少し手にしびれが残っているがこれも時間の経過によって治ってくれるだろう
この弾を製造するのにかなりの時間とコストがかかったがそれに似合うだけの価値はある
俺も武器商人としてやっていけるかもしれないが。俺にその気はなかった