俺は警備室を出ると巡回に回った。
トラブルさえなければ平和なものなのだが。
ここでは些細なトラブルが日常的に起きる。面倒な場所だが
仕事としてはやりがいがある。だがプロとしては静かすぎるのも問題だ

『ピーピーピー』

「ココさん。何かトラブルでも?」

俺の衛星電話に電話をしてきたのは武器商人のココ・ヘクマティアルさんだ

『お願いがあるの。ある女が私の邪魔をしてくれている。でも私は今東欧にいるから』

「どんなことをしたのか。依頼を受ける価値があるのか知りたいので」

ココさんによると明日来日する女性政治家は女性崇拝者行為で様々な問題を起こしていた
今回来日するのも事実状の亡命に近い形によるものだという事だ
日本政府としてもいろいろな事情から引き受けるしかないようだ
現日本政権に様々な恩を売ってきたためだということになっている

『引き受けてもらえるかしら?』

「少し時間をください。こちらでも対象者になるか調べる必要がありますので」

『良い返事が聞こえることを期待しているわ』

ココさんはそういうと通話を切った
俺はさっそく携帯情報端末で情報を確認した
その結果はココさんの言うとおりだ。かなりの暗い部分があることを確認できた
狙撃のタイミングは1度だけしかないことが分かった
IS学園近くにある港に豪華客船で来日する手はずになっていた
学園で幅を利かせようというのだろう

「なるほど。俺のルールでは殺す理由はありそうだな」

その時だ。警備室にイギリス代表候補性のセシリア・オルコットが入ってきた

「これはこれは、イギリス代表候補性が何の用件ですか?」

「私としてもこんなことを聞きたくはないのですが、フェンリルの弟子はあなたなのでしょうか?」

どうやらどっかの馬鹿が何かを企んでいるようだ。
そこでまずはIS学園にいる彼女を利用するつもりであることは俺にもすぐ察しがついた

「もしそうだったらどうなるんだ?」

「あなたは知っているのですか?私の両親が死んだ理由を」

「悪いが何も知らない。他をあたってくれ」

その時だ。セシリア・オルコットの肩を貫通したライフル弾が床にめり込んだのは
突然のことに俺も驚いた。代表候補生を餌にするとは正気じゃない
そんなことをすれば国家間の対立になりかねない。現状でさえそうなのだから
いわゆる冷戦の状況にあるのだから。国際連合安全保障理事会常任理事国の国たちは技術開発に必死なのだ

「大丈夫か?!」

俺はこちらに向かって倒れてくる彼女を受け止めると机の陰に隠れた
無線機ですぐに緊急事態を宣言した。

「弾は貫通している。どうやら狙われているのは俺以外にもいるようだな」

俺はすぐにターゲットがオルコットであることが分かった。
弾の弾道を計算に入れた時俺に当てるつもりなら無理な弾道を描いている