報告書はある程度、形になるとそれをプリントアウトして決裁した
俺の直属上司は学園長だ。学園長に決済をしてもらえば報告書の処理は終わる
書類を学園長室に届ける前にある事を行った。
それは自分が持っている銃の弾の補充と装備である

「慣れっていうのも怖いな」

いつの間にか、この部屋を出る前に必ず銃の装備確認をするようになった
まるで安心できる場所がこの警備室しかないかのように
それはそれで嫌な習慣だと思ってしまった

「とりあえず報告書を持っていくか」

俺は作成した報告書を持って学園長室に向かった
学園長室に向かう間は別に誰とも接触することはなかった
部屋に到着するとドアをノックして了解の返事をもらうと入室した

「セシリア・オルコット候補性が撃たれた案件についての中間報告書です」

「その件にあなたも絡んでいるんじゃないの?」

室内には学園長の他に楯無もいた。どうやら俺が関与していると思っているようだ

「仮にの話だが俺が関わっていたら狙いを外すようなミスはしない」

「そうかしら?あなたもこう思ったんじゃないの。IS学園への脅威判定を引き上げるためにとでも」

「そんなことをして何のメリットがある」

そう、俺としては平和なIS学園の方が望ましい
それにこの学園に猟犬がいる事は知っているはずだ。裏社会では特に
だとしたら簡単に手を出してくる人間はいないはずだ
猟犬とフェンリルの関係は知っている裏社会の住民は多い

「当面の間ですが、セシリア・オルコット候補生に関しては簪に警護を任せています」

女子同士なのだから警護は当然の配慮だ
さすがに男子である俺や自衛隊員がするべきではない。
ただし応援で来てくれている自衛隊員の中には女性隊員がいるので
寮内の警護などを任せる事にしている

「今後の警備状況については一夏君に任せます」

「わかりました。警備体制を強化して今後の対応にあたります」

「自衛隊との連携はスムーズなのですか?」

「以前仕事で組んだことがある隊員ばかりなので問題ありません」

「そうですか。では引き続きIS学園の警備に関しては一夏君に任せます」

「わかりました。可能な限り対応します」

そう言うと学園長室を出た。俺が退室するのと同時に楯無も同時に出た
俺はそこで少し意地の悪い事をしてやった。

「何か嫌味でも言いたいのか?それともお前の可愛い妹を奪ったことを恨んでいるのか」

「・・・・・・・・・・何でもないわよ」

楯無はそう言うと俺のそばから離れていった

「相変わらずか」

心のどこかでは楯無は簪が血で汚れた世界に浸かっている事を心配しているのだろう
血のつがった姉妹なのだから当然と言えば当然である
俺と千冬姉とは違う。俺と千冬姉は血縁関係があるかと言われると微妙だ
なぜなら俺たちは実験の産物で生み出されたものなのだから
家族というものに執着していない。俺はだが。
千冬姉は俺が血に浸かった世界にいる事は許せないことはわかっている
でももう戻る事はできない。猟犬として活動しているのだから