「暴走するのは勝手だが、大事な妹からは三下り半を突き付けられている気分はどうだ?」

「あなたって本当に嫌味な人間ね。織斑一夏」

実際のところは簪は楯無のことを割り切っている
この仕事は家族を殺すことも覚悟しなければならない
それができなければ最悪の結果になるのだから。だからこそ決別することが最も重要である

「嫌みの一つくらい聞いたところで俺には別に何も影響はない。それに楯無の妹は自らの考えで行動している」

お前が関われば関わるほど大切な妹は距離を取り続けていくことを理解しろと言ってやりたい
別に俺がそのことを言っても良いのだが、今は何も教えないことにした
自分で気づかなかったら仕方がないが

「一つだけ助言をしてやる。拘束すればするほど離れていくぞ。小鳥はいつかは自由に空を飛ぶのだからな」

「良い助言ね。あなたにしては」

それはあなた自身にも当てはまっているのかしらと楯無は質問してきた
確かに俺も千冬姉と関係を切っている。そうするしか道がないのだ
俺たち殺し屋は時には身内も狙うことが求められる
冷たい血を流すしかないのだ

「俺たちの仕事は必要なら家族を殺すことも求められる。簪にそこまでの度胸がないと思うなら大間違いだ」

俺の言葉に楯無は本気で言っているのと少し緊張感があるような声で回答した

「当然だろ。この業界は狭いのだからな。ふたを開けてみたら依頼主は家族ということもある」

ターゲットが自分の家族でも殺せないなら殺し屋になれるはずがない
俺は冷酷な人間だ。家族でも誰でも殺すことはできる
そうしなければこの仕事を続けることなどできない

「立ち戻ったら俺たちのような人間は死ぬだけだ。常に歩み続けないといけない」

茨の道であっても、歩んでいる場所が血まみれの場所であっても歩み続けなければこの業界では生きてはいられない
いつ死ぬかどうかもわからないなら進み続けるしかないのだ

「それと今日は俺は気分が少し良い。1つだけ良い事を教えてやろう。なぜ俺がISに乗れることを公言しない理由を」

「あなたから教えてくれるなんてどういう気まぐれかしら。私に何か対価をよこせっていうならお断りよ」

「知っておいて損はないだろうな。お前が俺を止めることができない理由がわかる」

俺はあることを伝えると楯無はすぐにその場から早足でこの場から立ち去った
俺はこういったのだ。知ったら殺すだけの話だと。
知らないということは存在しないことを意味している
知らないものは探さない。あるはずがないのだからいくら探しても見つかるはずがない

「さてと定期巡回に向かうか」

俺はIS学園の廊下を警戒しながら歩いた
簪は覚悟はできている。それだけはあいつの銃の腕を見ればわかる
練習をかなりしている。射撃練習を続けてしなければできないはずの傷跡を見つけたからわかった
ただの拳銃の射撃訓練だけでなく対物ライフルの訓練もしているはずだ
あの銃の威力はかなりの物だ。素人がすぐにチャレンジするにはかなり難しい
今度は俺がそれを確認する必要がある。パートナーの力量把握は極めて重要である