束さんのところで護衛を含む家事全般をしていたが
ある時彼女がこんなことを言ってきた

「護衛役として行ってくれない?」

束さんは実の妹である箒の事を心配していた。来週にはIS学園に入学することが分かっていたためだ

「契約は束さんの警護だけです。箒にまで範囲を広げるとあなたを守るという任務が果たせない」

俺にとってはいかに確実に任務をこなすかだ。束さんからは毎月お給料をもらっている
あくまでもビジネスとしての付き合いを基本としているからだ。確かに束さんにはいろいろとお世話になったが
だからといって、IS学園に行きたいとは思わない

「表向きはIS学園のセキュリティ担当していってほしいの」

「俺は束さんと箒を天秤にかけた時は、お世話になっているあなたのことを優先します。それでも良いなら」

そう言うと彼女は嬉しそうな表情を浮かべた
それで決まりっという事でというと、さっそく契約書を作ってもらった
俺はすぐにプリントアウトされてきた契約書の中身を入念に確認した
内容に目を通すこと10分ほど。納得できる結果だったのでサインした
束さんは1か月50万円と提示した。ただ見守るだけならそれでいい
ただし俺はある事を確実にわかってもらうために一文をつけ足した
それは決してISには乗らないというものだ。触れる事もしない。
もし俺がISにのれることがばれた時は任務を中断して、姿を消すと

「徹底しているね。いっくん」

「俺はトラブルは嫌いです」

最終的には俺が折れることになった。ISには絶対に乗らない事を条件にして

「箒を守れば良いんですね」

「そうだよ。生徒としていくの?」

「束さんは俺の経歴は知っていると思いますが」

表向きは束さんの代わりに社長を務めている警備会社の警備員という事にしてもらった
千冬姉が今そこで教師をしている事は事前の調査で分かっていた。何て言って会えば良いか俺は少し悩んだ。
学生としていくのではなくセキュリティ担当としていくという事はどう意味があるのか
束さんによると学園長とはすでに交渉済みとの事なのであとは頑張ってと
そう言って家を追い出された。こちらも契約なのだから仕事をするまでだ
追い出された場所は幸い学園の目の前だったので、すぐに受付の人に事情を話すと園内を案内された
すぐに千冬姉が近づいてきた

「一夏。今までどこにいたんだ?」

束さんのところだと伝えると、大丈夫なのかと聞いてきた
束さんは元気にしていると伝えた

「ところで今日は何の用件だ?」

「IS学園特殊警備チームの担当となった織斑一夏だ」

その言葉に千冬姉は驚いていた。一体どんなことあって弟がこんなことを言い出すのかと。
そう思ったのだろう

「人殺しをしたことがあるのか?」

「3桁入っているかも。束さんのところで生活するまでは技術を磨いていたから」

俺の言葉に千冬姉がショックを受けた表情を浮かべていた。
ある意味わかっていた事だが。何せ自分の弟が殺し屋をしているとは

「武器は所持しているのか」

俺は持っていたアタッシュケースを開けるとそこには手榴弾から拳銃。愛用の狙撃銃が収められていた

「今日からセキュリティ面を担当します。学園長ところまで良いですか」

ここから先は契約事項を確認しなければならない。俺は契約以外の仕事をするつもりはない
興味がないからだ