今日の見回りも終えてもう夜だ。そろそろ俺も夜の仕事の時間だと思って駐車場に止めているバイクに向かった
荷物として狙撃用のライフルを持っている。駐車場に向かう途中で面倒なやつがいた。楯無だ

「今日も仕事らしいわね」

「ああ、ISのおかげで女に復讐したいってやつは大勢いる。おかげで俺のビジネスは順調だ」

「そう。だったらここであなたを始末しても良いわよね」

そう言うと奴は俺に向けて銃を突きつけた

「許可が出たという事か」

政府から暗殺の許可をもらっていなければフェンリル先生の弟子である俺の殺しが認められるとは思えない
自惚れているわけではないが俺にも政府にコネはある。様々な政府機関の人間といろいろと契約をした事があるからだ

「いえ、私の独断。あなたにこれ以上いられると私たち暗部としても放置できないと判断したまでよ」

「こんなことをするとどうなるかわかっているのか?」

こちらにもある切り札があった。あまり使いたくないが。

「どうするつもりなのかしら」

「これは何だと思う?」

そう言うと俺はある携帯端末を取り出した。

「これはある部屋に取り付けてある爆弾のスイッチだ。もしもの保険のために設置させてもらった。お前がそういう行動に出た時に」

するとすぐに何かを分かったようで表情は怒り心頭といった感じだ。
更識簪の部屋に設置されている偽物の爆弾だ。まさか本物を設置するわけにはいかないが、煙だけが出るものだ
簡単に言えば発煙筒だ。

「あなた!私の大切な妹にまさか」

「どうする?俺を止めるか?爆弾を止めるか。好きな方を選べ」

スイッチを押した。残りタイムリミットは3分。寮に行って解体する時間はある
楯無が妹を溺愛している事は知っている。だから利用したまでだ
俺は利用するなら徹底的に利用するまでだ

「次はないと思いなさい!」

楯無は慌てて向かっていった。こちらは仕事に向かうだけだ。狙いは女性絶対主義組織の幹部だ
今回も男性からの依頼だ。その組織によってひどい目に遭って多額の金を払ってまで決着をつけたいと
俺はその依頼を引き受けた。幹部の女はやり過ぎていた。いろいろと。だからこそ、制裁が必要だと考えたまでだ
駐車場に止めているバイクに乗り込むと俺は敷地外へと出ていった。
もちろん、銃の携帯許可は持っているため警察に止められても怪しまれない。
携帯許可もIS学園で仕事をしているからだ。手入れのために持ち出したという言い訳は今までに何度も使っている
それに警察関係者にも俺の協力者は多い。政治家にもだ。もみ消そうと思えばそれほど難しい事ではない

「さっさと嫌な事は忘れて仕事をするか」