翌朝、俺は他の警備スタッフと警備の打ち合わせをしていた。
打ち合わせは今日のメインイベントである学年別試合の来賓客のセキュリティチェックについてだ
「今回の学年別試合はいろいろと面倒が起きる可能性がある。セキュリティチェックは注意しろ」
俺の気を引き締めるように警備隊員にと伝えると次々と警備ポイントについて報告してきた
「すでに入り口でスキャン装置で凶器などになりそうなものは探知するようにできています」
「観客席の監視も怠るな。この前のような正体不明な敵が潜入している可能性もある」
それはあいつらのことを示しているが。俺からあいつらの情報を提供する必要はない
俺にとって最大の警備対象者は箒だ。束さんとの契約を果たす事が最重要課題で学園の警備は二の次のようなものだ
「少しでも異常があれば俺に報告しろ」
「「「「了解!」」」」
それじゃ解散だというとそれぞれの警備ポジションに向かっていった。
俺の担当は面倒な事が起きてもすぐに対応できるように警備室にいる事にする。
それにもしもの場合には俺はあれを使わなければならない事を覚悟しなければならない
束さんが強引に持つように言われた。もっとも忌み嫌うISを
もちろん、ココさんに製造を依頼した銃弾も使えるがあれは物が高価すぎる
簡単に使ってしまえばすぐに赤字だ。
「まったく因果な仕事だ」
俺はいつものように警備室でセキュリティチェックをしていると警備室のドアをノックしてきた
楯無だ。どうやら昨日の件について文句を言いたいようだ
「昨日はよくもやってくれたわね」
こんな発煙筒をおもちゃにしてくれてと、
「大事な妹を思うならもう俺に絡むな。面倒なだけだ」
「悪いけど、あなた以上に悪だくみを考えている人間が今この学園にいるとは思えないけど」
「人を疫病神みたいな言い方をするな。俺は契約を履行しているだけだ。文句があるなら学園長と話をするんだな」
俺は許可を得ている。昨日の件は脅しだと伝えると、
次に大事な妹に何かしたら覚えておきなさいという捨て台詞を残して出ていった
まったくお子様には困ったものだ。ジョークも分からないとは
「それで、お前はどうなんだ?亡国機業のコードネームM。いや織斑マドカといった方が良いか」
「お前は自分の立場を分かっているのか」
「織斑計画のことか?この手の業界にいればいろいろと情報が入る。社会が嫌になる事だって色々とあるものだ」
織斑計画、遺伝子操作によって最高の人間を作り出す計画。フェンリル先生から教わった。
社会というのがどれだけ汚いかがよくわかった。だからこそあの計画に携わった研究者と研究所はすべて破壊した
「だから我々に協力をするのか?」
「俺は世界がどうこうなっても気にならない。目の前で第3次世界大戦がおころうと自分が契約した内容を履行できれば問題ない」
「私にはどんな気持ちを持っている?」
「俺は人のことを気にすることを止めた殺人マシンだ。お前のことをどうこうするつもりはない。篠ノ之箒にさえ手出ししなければな」
「なるほど、契約だけは守るようだな。上層部からもお前と篠ノ之箒には手を出すなと言われているから何もしない」
それは嬉しい事だ。こちらの邪魔にならなければすべて問題ないからだ
用がないならさっさとスタジアムに戻ったらどうだというとそいつは姿を消した