IS学園の警備担当者として派遣されて数日。俺は警備スタッフの制服を身にまとって警備をしていた
ここはまるで戦場とは違う平和な空気が流れている。もともとIS学園は女子高だが男性教諭も存在する
国語などの普通科目もあるからだ

「広いな」

俺は定期的に巡回していた。ちなみに俺は束さんが専用に作りだした第4世代の最新ISを持っている
使うつもりなどは毛頭ないが。だが保険変わりだと言って押し付けてきた
いつも俺は銃を携帯している。警備のためだと言って学園長に交渉した結果だ
ちなみに俺の部屋はまるで火薬庫なぐらいに武器弾薬が詰まっている
入手経路はある武器商人から買っている

「織斑一夏さん!」

後ろを振り返ると1年1組の山田先生が来ていた

「何かトラブルでも?」

「それが物資納入担当者の方があなたをご指名で」

「ああ、ココさんですか。ヘクマティアル御一行様を会議室に案内してくれると助かります」

ヘクマティアルのメンバーとは武器調達といった面でいろいろと役にたっている
こちらは金で払う時もあるが束さんが集めてきた数多くの機密情報で払う場合も
俺は会議室に向かうとすでにココさんが待っていた

「ココさん。お元気そうですね。それにヨナ君も」

相変わらず無表情だが不満であるといったことはすぐにわかった

「頼まれていたアサルトライフルと拳銃の弾。それとあなたがご希望していた情報よ」

俺は内容を確認すると商品は相変わらず1級品だ。情報も確認すると金を用意した
金を用意するといっても電子送金で行うために彼らがいる目の前で操作。振り込まれたことを確認してもらうだけだ

『ピッ』

振り込みが確認できた音だ

「それにしても意外よね。あれだけISを嫌っているあなたが警備担当だなんて」

「皮肉はやめてください。仕事と割り切っているからできる事です」

「そんな君がISを持っている。ISを嫌っているものがISを持つ。それが皮肉以外に聞こえるならどういうわけか説明してほしい所ね」

どこで俺がISを所持している情報を得たのかは知らないが。ここは不用意な争いは避けるべきだ
そうでなければあちらのペースに持っていかれかねない

「お話がそれだけならこのあたりで。自分は見回りの仕事があるので」

俺はそう言うとココさんとの商談を終えると会議室を出ていった。外にでると千冬姉がいた

「一夏、お前はどうして」

「これが俺の生き方だから。変えるつもりもないし、変わろうともしない。俺はISのおかげですべてを失った」

「一夏、お前はそれで良いのか?」

「俺は契約の仕事をするだけ。それが終わればまた仕事をする。たとえ血にまみれたとしても俺が行く道は変わらない」

例え千冬姉に止めようとしても、俺の歩みは止まらない。もう姉と弟の関係は完全に断絶している
廊下を歩いているとある人物と出会った。生徒会長の楯無だ。俺はすぐに進む方向を変えて彼女から避けた
あの女は危険だからだ。裏の事を知り過ぎている。特に俺のことを。だから嫌いなのだ

「織斑君。ちょっと良いかな?」

「残念ながらこれから警備がありますので。では失礼します」

すると彼女はこう言ってきた。また逃げるんだと。

「好きに解釈すると良い。だがな。俺は必要なら親兄弟。飼い犬までも殺す。情報を漏らせばお前の大切な妹がどうなるか」

そのあたりを考えるんだなと言うと俺はパトロールに戻った
俺にとって家族など興味はない。とっくの昔に見捨てられているのだから
唯一家族と言えるのは束さんくらいだ。だが今は契約で動いている