IS学園に戻ってきたが、静かなものだ。

「まったく徹夜明けにこれとはな」

学園に戻ってきたころにはもう朝日が出ようとしていた
俺としては少しは休みたいがそう言っていられない。
いつ何があるかわからないからだ。俺は仮眠をとるために警備室に移動した
仮眠用の部屋に移ると携帯端末をそばにおいて睡眠を取り始めた
なにかあってもいいように手にはオートマチック銃を握っていた
数時間の仮眠を取り終えると、すぐに朝日が出てきた時間になり警備室内の時計から8時を示すチャイムが鳴った

「数時間しか眠れないのは久しぶりだな」

俺は警備室を出ると食堂に向かった。朝の栄養補給は重要だ
廊下を歩いていると携帯電話が着信を告げていた。相手はココさんからだ

「ココさん。昨日の件ならキャスパーさんにお礼を言っておいてください」

『キャスパー兄さんがあなたに仕事を依頼するなんて珍しい事よ。それで、亡国機業とはどうするの?』

「いきなり本題ですか。そうですね。俺の行動に支障がない範囲なら協力しても良いと返事をしておきました」

『私もキャスパー兄さんの計画には参加するつもりよ。このままISが拡大し続けたら世界平和にならないから』

ココさんは以前から世界平和のために武器商人をしていると言っていた。
確かにISが存在し続ければ女性至上主義が台頭し続けて平和になる事は無い
いずれは男と女で戦争になるかもしれない。ISは数が限られるが、銃は誰にでも扱える

「ココさんは平和を願っていましたね」

『私の願いは世界平和よ』

俺は、自分もその願いが叶えば良いと思っていますというと電話を切った
確かに俺はISによってすべてを失った。織斑計画も含めてだが
あんな計画のおかげで俺は生まれた。自然の摂理に反する産まれ方をした
身体能力が高い事はこの家業では良い事だが。フェンリル先生にこういわれた
いずれは生まれたことを後悔するときが来ると
実際のところもうしている。後悔を。俺が生まれたせいでラウラ・ボーデヴィッヒが生まれた
どこまでも嫌な話だ

「一夏。今日は遅いな」

「箒か。俺もいろいろと忙しいからな」

声をかけてきた箒はもう朝食を食べ終えたようだ。
俺はいつものようにサンドイッチなど簡単なものにすると、携帯端末で情報収集をしながら食べていた

「ずいぶんと余裕ね。織斑一夏」

「わざわざ喧嘩を売りに来たのか?楯無」

朝っぱらから嫌なやつと巡り合ったものだ

「あなたを監視するのが仕事だもの」

「お前よりは俺は仕事はしていると思うが。また生徒会の仕事をさぼっているとあの眼鏡が似合う女子に追いかけられるぞ」

「ずいぶんと気配りができるじゃない」

楯無はそう思っているなら行動を自重してもらえると嬉しいんだけどと言うが
俺にはそのつもりはない。俺は俺のやりたいようにする。邪魔するものは排除するまでだ