俺は箒の質問にどう答えようか考えた
箒が束さんを嫌っている事は知っている

「なぜそんなことを聞く?」

今まで触れてこなかった話題なのになぜ今頃になって聞いてきたのか

「知りたいからだ。私を守るためにいるのかどうか」

「俺は答えられない。悪いな」

まさか箒を守るためにここにいるとは言うわけにはいかない。
俺は陰から見守るのが仕事だからだ。

「なぜだ!お前はどこで道を」

俺は道を外れた。外れたというよりも普通の人生を送る事は諦めたのだ
だからテロリストをしている。

「俺はもう壊れているんだ。人としてまっとうな人生を送る事はできない」

俺は歩む人生はきっと綺麗な花畑の道ではなく、血と油でできた最悪の道だ

「これだけは言っておく。お前は束さんのことを嫌っているようだが、束さんはお前のことを大切にしている」

「姉さんのせいであんな目に遭ったのに、それで納得できると思うのか!」

束さんは箒のことを本当に心配している。だから俺に身辺警護を頼んできたのだ

「無知は罪だ」

俺はそう言うと校舎内を巡回し始めた
平和というのは素晴らしいものだが実際は違う
平和になるには代償が必要だ。何もなくて平和になる事はありえない
その代表がISだ。表向きISはスポーツだが実際は軍事的野心を持たせるものだ
今では通常兵器に対する予算は削減されているが。ISの開発費は増える一方だ
これでどうやって平和だといえるのか。俺はそう聞いてやりたい。政治家や軍事組織の連中に
そんなことを考えながら校舎内を巡回していると携帯端末にセキュリティ警報が出た
場所は校舎の裏側。

「今度は何だ」

俺はそこに行ってみると、亡国機業のMが。織斑計画の生き残りであるマドカだった

「わざわざ俺の張ったアラートシステムを鳴らしてくれて何の用件だ」

「1つ仕事を頼みたい。報酬は出す」

具体的にと聞くと明日の実習中にあるISが暴走する手はずになっているとのこと
それについて介入しないでほしいという事だった。
もちろん観客に被害が出そうになったときは自衛権の行使は認めるとの

「なるほど、お前達はISの危険性を証明したいわけだ」

「察しが良いのは助かる。それ答えは?」

「俺はISを嫌っている。答えは決まっているが、できれば生徒にはけが人は出さないでくれると助かる」

後始末が面倒だからなと言うと分かったといって封筒を渡して姿を消した
中を見ると報酬として金が入っていた。

「IS嫌いの組織が暴走事故を引き起こすか」

亡国機業がどこまでの考えを持っているのかを本格的に考える時が来たようだ
状況によってはこちらからアプローチも必要だ。ただ見ているだけでは読めない事もある
そこに楯無が近づいてきた。どうやら警備アラームを知ってきたのだろう

「今度は何?」

「ネコだ。センサーの感度が良すぎたんだろう。あとで調整をしておく」

適当に誤魔化しておいたがどこまで信用するか。まぁ、さっきの会話は聞かれてはいないだろうことは分かっている
それだけでも十分だ