俺は朝に行われるISを使った実習で起こるであろう暴走事故に備えをしていた
ある情報筋によるとドイツ代表候補生のISにVTシステムを搭載しているとのことだ
面倒な事に、そのクラスには箒がいる。
俺としては単独で暴れてくれるならありがたいが、
箒を巻き込むような事態になれば実力行使あるのみだ
幸いなことにスタジアムの地面は砂だ。
砂嵐をまき散らす形で注意をそらして俺のISで暴走事案と止めるプランを考えていた

「本当のところは何もない事を祈るんだがな」

自分のISを使うことは避けたい。理由は簡単だ。公式には俺はISを所持ていないことになっているからだ
だがそう悠長なことは言っていられない状況下に追い込まれたら最後だ
いくら観客席に人がいないとはいえ生徒たちはスタジアム内にいるのだ
箒も含まれている。契約上箒を守る事に集中するが
亡国機業がどこまでやる気があるのか。
仕方なく倉庫に行ってバレットM82を取り出すと対IS弾をマガジンに装填した
ある程度暴走させてから止めればいい。そうすればISに危惧する者もあらわれるだろう
パフォーマンスとしてはそれで十分だろう

「あとは俺が射撃でうまく狙えるかどうかだな」

俺はスタジアムの高台で対赤外線シートをかぶっていバレットM82を構えていた
いつ暴走事故を起こすかわからない以上ここで待機するしかない。
もし暴走事故を起こしてくれたらISの危険性を理解してくれることを祈るばかりだ
確かに最初は宇宙開発が目的だったはずなのに今は兵器扱い
束さんが可哀そうだった。せっかくの自信作を軍備に使われるとは
本来の目的はすっかり忘れられている。
束さんにも想定外だったのだろう。まぁあの白騎士事件を起こした時点で軍備かはわかりきっていた事だが
核兵器と同じだ。たった1種類の兵器によって世界は大きく変わってしまった
いよいよドイツ代表候補生であるラウラ・ボーデヴィッヒの機体運用テストを始めた時トラブルが発生した
いわゆる暴走事故というよりもVTシステムによるものだ
俺はいつでもコアを撃ち抜く準備に入った
その時だった。またしても邪魔者が現れた。楯無だ

「ずいぶんと遅い登場だな」

「あなたこそ、まさかコアごと破壊するつもりじゃないでしょうね?」

「さぁな」

俺はそう言うと手段を暴走するISの足元を狙った
弾は絶対防御を貫通して装備の一部を破壊。
ただ予想よりも向こうの強度があったようであまり被害は出せなかった
相手はこちらに視線を向けたのを確認すると俺は首にかけているドッグタグを取り出した
そして起動コードをいつでも唱えられる状態にした
俺のISは束さんの特別製で強力すぎるゆえに起動には専用のコードが必要なのだ
強すぎる力は争いを呼ぶという言葉もある事だからだ

「コアを破壊する」

「大事なコアよ!破壊なんてしたら!」

「それなら、お前が死ぬ気で止めるか。あのISを。さっさと選べ」

分かったわよと楯無が言って自分のISを起動させて向かった
その後の決着は言うまでもない。ISでは最強を誇っているのだから決着はすぐについた
俺はまだ幸運だったと思った