夜になり、IS学園は平和だ
静かな時間が流れるが俺にとってはこのような時間が貴重な訓練時間となる
俺は事前に予約しておいたIS訓練施設に入る
手にはバレットM82である対物ライフルを持って訓練施設に入った
幸いなことに今日は『仕事』はない。訓練のために時間を費やすことができる
しかしそこには邪魔者がいた。あの楯無だ

「相変わらずだな。ストーカーよりたちが悪いぞ」

「あなたから目を離すわけにいかないのよ」

好きにしろと俺は言うと900m先に的を設定すると対物ライフルに弾を装填して腹ばいになって構えた

「腕は良いわね」

「鍛えられたからな。フェンリル先生に」

「1つ質問しても良いかしら。あなたみたいな男の子がどうしてあんなテロリストと関わったのかしら」

先生との出会いは突然だった。俺が誘拐された時偶然にもそこを拠点としていた彼と会ってしまった
その時の話は以前聞かされたことがある。本当は俺を含めた全員を皆殺しにしようと思ったそうだ
仕事の邪魔をしたのだからと。だが俺の存在を知ると誘拐犯だけを殺し俺にこういった
姉に頼らなくても済むがお前が生まれてきた本当の真実が知りたくないかと。
そして知った。あの嫌な計画。織斑計画だ。
すべては仕組まれていたことを知って俺は日本に帰国した後、電話をした
全部承知の上でだ。おかげで銃の扱い方からテロの起こし方。
様々な要人たちとパイプができた。だからこそ今の俺があるのだ
だがそんな身の上話をするほどバカじゃな

「好きに考えるんだな」

俺はそう言うとターゲット代わりの的に狙撃した

「相変わらず嫌味を言いたくなるほどの正確なショットね」

ターゲットの代わりマーカーの中心部を確実に射抜いていた
こっちはこれでご飯を頂いているのだから当然だ。その時仕事用の携帯電話に着信が入ってきた

『ピーピーピー』

「織斑一夏だが‥‥‥‥‥ああ、わかった」

「一夏君。もうやめなさい」

「悪いがこれは俺の背負った運命の道だ。たとえいばらの道であっても進むしかない。時間が戻らないのと同じだ」

「人殺しには変わりない」

「お前は裏社会でも本当の裏を知らないから綺麗事が言えるんだ。俺は裏社会の中でもより深い世界で生きてきた」

俺はそう言うと対物ライフルを専用のケースに収めるとすぐに部屋に戻った
今回は現場までは付き合うつもりはないようで楯無も寮に戻っていった
俺にとっては好都合だが。さっそく必要な装備をカバンに詰め込むとバイク置き場に向かった
しかしそこにはある難関があった

「一夏、お願いだ。もうやめてくれ」

「千冬姉。俺は闇を知り過ぎた。もう手遅れだから、ほっといてくれ」

俺はそう言うとバイクにまたがり学園から出ると都内のターゲットを狙撃できるポイントまで向かった
決して後ろを振り返る事はしなかった。振り返れば決意が揺らぎそうだったからだ