その日の夕方に俺は学園に戻ると警備室に向かった。
明日と明後日は土曜日と日曜日で授業はない。ただ、訓練のためにISの練習をするものが増える
そういう時に限って面倒ごとが来るのだ。訓練の場所のためのスタジアムの場所の取り合いや訓練機の取り合い
限りあるものだから仕方がない。その時無線が鳴った
『一夏さん、更識簪さんがあなたを呼んでいますが』
「ああ、すぐ行く」
俺は仕方がないなと思いながら警備室を出ていった。整備室に向かった
そこでは簪が1人で頑張っていたがどうもエラー出るようで苦労していた
「お困りごとか?」
俺は別にISの専門家というわけではないのだがというコメントは今はやめておこう
「実はここの射撃管制システムについて」
「見せてみろ」
俺はそう言うとプログラムを見せてもらった。その結果、あるアルゴリズムがおかしい事に気づいた
「ここの値が間違っているんじゃないか?」
「見てみます」
修正した値を入れたところ無事に射撃管制システムは問題なく立ち上がった
「これで完成です」
俺は良かったなと言うと、ようやく簪のISのプログラミングが終了した
苦労したのだろう。ここまでするのに。完成させただけでも実力は高いと評価できる
「それでどうする。今日はスタジアムの練習は夜までいっぱいだぞ」
「そうなんですか」
「しょうがないな。俺の午後7時からの長距離狙撃訓練で使う予定だった1時間だけなら空けてやる」
「良いんですか!」
「ああ、気にするな」
そう言うと俺は整備室を出ていった。本来ならば長距離狙撃の訓練はしたいが、あいつを見ていると昔の俺を考えてしまう
あのつらく、悲しい日々を。一人で食事を作り一人で生活する。
それがどれだけつらい事なのかは、誰にもわからないだろう
いくら今さら千冬姉に何を言われてももう手遅れなのだから
『ピーピーピー』
「亡国機業か?何か用事か」
『また面倒ごとを起こすかもしれないから事前に伝えておこうと思ってね』
「まったくお前達は平等にしたいのか戦争をしたいのかわからない奴だな」
『私でもそう思うわ。でも上には逆らえないの。あなたには申し訳ないけど』
「まぁ、好きにしろ。一応言っておくが、あまり派手にするなよ。こっちにも限度っていうのがあるからな」
『大丈夫よ。自衛隊の参加を招くような事態にはしないわ。学園内のトラブルという程度にしておくから』
「俺としてはどちらも歓迎はしないが自重してもらえるならありがたい」
亡国機業の連中はこういった。篠ノ之箒には手を出さないと
フェンリルと猟犬の獲物にはなりたくないからとな。
まぁ俺としても先生に動かれたらあとに残されるのは破壊の爪後だけになる事は分かっているが