その日の夜、俺はいつものようにバイクに乗って都市部に向かっていた。
今日のターゲットはある大物女性政治家だ
いつものように依頼主は男。ただしちょっとばかり面倒な事があった
依頼主はその女性政治家の夫だ。彼は妻にひどい目にあったためか、我慢の限界に来たのだろう
報酬として500万円出すから確実に仕留めてほしいと
ちなみに始末の仕方は特に選択しなかった
狙撃でも爆殺でも構わないと。やってしまえばすべて問題ないと
それにしてもだ。夫が妻に対して暗殺を求めるなんて
俺達の世の中はどうかしている

「まぁ、俺にとっては仕事が入ってきてちょうど良いが」

その時だった。後方からISの反応があった。俺は思わず楯無がちょっかいをかけてきたのかと思ったが
機体識別コードから更識簪の物だった。俺はバイクを止め、少し待っていると彼女は地上に降りると同時にISを解除した

「こんな夜中に出かけていると面倒な事になるぞ」

「お願いします!同行させてもらえませんか?」

「自ら汚い水を飲みに来る事は無いと思うが」

「私も更識の一員です。覚悟はあります」

簪の目は明らかに覚悟を決めている目だった
俺は少し考えた後仕方がないというと後ろに座れと言ってバイクに乗り込むと彼女も乗り込んだ

「少し飛ばすからな。それとあとで楯無に怒られても俺に振るなよ」

「分かっています」

俺はいつもよりも遅れているため通常よりも加速して都内に向かっていった


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IS学園 生徒会室

「簪ちゃんがいないですって!」

私には寝耳の水だった。そしてまさかと思ったが織斑一夏の位置を検索する。
簪ちゃんと一緒にいる事が上空を警戒している航空自衛隊の早期警戒管制機からIS識別コードが出ていることが分かった

「いったいどういう?」

その時本音がやってきた。いつもののんびりした顔ではなく慌てていた

「カンちゃんのベッドにこれが」

本音が差し出してきた手紙には私も覚悟を決めたと書かれていた。
つまり自ら汚れた水に接する事だ。それはもっとも私にとっては避けてほしい事だ
私が楯無を襲名したのはすべて妹を守るつもりだった
それがすべて裏目に出たという事だというなら、私の罪なのかもしれない

「すぐに追いかけるわよ!」

私はすぐに生徒会室を出ると大急ぎで織斑一夏を追いかけていった
なんとしても阻止しなければならないからだ

「織斑一夏!どこまで私を苦しめたら気がすむの」

私は恨み言を言いながらも校舎外に出るとISを展開して都市部に向かった
追いつけばまだ良いが既にかなりこちらは時間をロスしている。到着したらもう終わっているという事も想定される