宿に無事に到着すると俺は周辺のチェックに入った
何か侵入に好都合な場所を探したところ数か所発見できたためセンサーを設置した
さらに宿の監視カメラの映像を俺の携帯端末で見られるように宿の持ち主に許可をもらった
俺は1人部屋でとりあえず部屋につくと持ってきたアタッシュケースからノートパソコンなどの情報端末
そしてアサルトライフルなどの整備を行った。銃の整備は日課だ。
『ピーピーピー』
俺の衛星携帯電話に連絡が入ってきた。番号は非通知だが相手の察しはついた
この衛星電話の番号を知っているのはヘクマティアル関係者と束さん。そしてフェンリル先生だ
「一夏です」
『元気そうだな。最近はずいぶんとご無沙汰だったらしいな』
「仕事はこなしているのでご心配はしなくても大丈夫です」
なら良いがと先生は言った。あるトラブル情報があると言ってきた
どうやら亡国機業が動いたようだ。
今度のデモンストレーションはアメリカ軍が開発したISを暴走させるという物だ
「ISの軍事化を押さえるためとはいえ無茶な計画ですね」
『だが連中は本気だ』
「フェンリル先生のご希望は?」
『そうだな。まぁ少しは暴れさせればいいだろう』
「その心は?」
『世界に刺激があっても問題ないだろ』
先生は楽しみが欲しいのだ。
表向きはアメリカの軍事転用を目的としたIS開発を止めるために騒動を起こさせる
アメリカ国内の始末を先生がつけるという事だ。簡単に言えば最近は暴れたり足りないのだろう
「研究施設を破壊するつもりですか?」
『すでに依頼を受けている。お前にも仕事を頼みたい。あのISが暴れ出したら破壊しろ。報酬として1万ドルを亡国機業が出す』
「一応言っておきますが。コアごと破壊する事になりますよ」
『亡国機業は別にどうでも良いらしい。仕事だと思って割り切れ』
そう言うと先生は通話を切った。
観客のいる大パーティーになる事は確実だ。
「面白くなってきたな」
出し物はさしずめ亡国機業とIS学園の生徒。ただし、篠ノ之箒の命は守らなければならない
久しぶりに厳しい任務だ。最悪の場合、束さんが作り上げたISを頼らなければならないかもしれない
そうした事態は避けたいのだが。亡国機業側に加担しすぎるわけにはいかない
彼らとは不可侵協定を締結しているのだから。まさに微妙なものだ
IS学園側に全面的につくわけにもいかない。囚人のジレンマのような状況だが
そこをなんとかするのが俺の持っている技術とテクニックだ
「俺にも刺激がある林間学校の時間になりそうだな」
たまには俺も最大能力を発揮して、実力以上に性能が出るかどうかを調べる事が必要だ
自分の力量を計算するためにも重要な事だ