そしていよいよ追い詰められた。専用機持ちたちがだ
俺は発砲する事を決断に迫られた

「簪、距離と風速を伝えろ。そろそろ仕上げだ」

『ピーピーピー』

一夏が持つ衛星携帯電話に着信が入ってきた
非通知だったが相手はすぐに察しがついた

「そろそろ良いか?」

『ええ、あとはお好きに』

そう言うと通話が切れた。俺は簪の情報を基に照準を合わせて発砲
弾は見事にISのコアに命中した。そのまま墜落していった。
どうやら無人だったという予想は当たっていたようだ
俺と簪はすぐにその場から引き上げた。

「引き上げるぞ」

「了解です」

近くに止めているバイクに乗ると簪を後ろに乗せて走り出した
俺と簪は旅館までバイクに乗って走行していく。戻ったところでこっちの動きは分からないと踏んでいる
仮に何か握られていたとしてもこっちにはいろいろと切り札はある
黙らせることはそれほど難しい事ではない

「一夏さん。これからも私を鍛えてくれますか?」

「良いのか?俺がやるという事は格闘術だけじゃないぞ」

「暗殺術でも強くなれるなら」

なら鍛えてやると言いながら旅館に向かってバイクを走らせた。
そして旅館に到着すると千冬姉が待っていた

「一夏、お前どこに行っていた」

「彼女と夜のデートだ。俺は別に生徒じゃないんだ。女だけの場所にいるのはつらいからな。息抜きに付き合ってもらっただけだ」

「それでどうして銃が必要だ?」

確かにただのデートならこんなものを持ってくる必要があるとは思えないだろうが
こっちはいつ死神が訪れるかわからない身だ。自分の身は自分で守ると言ってなんとかその場を潜り抜けた

「俺は兵士だ。言っておくが彼女には責任はない。俺が付き合ってくれと言って誘っただけだからな」

一応弁護はしておいた。わざわざ俺を追いかけてきたぐらいだ。多少の手心は差し伸べる
自ら危険に飛び込もうというのだ。それに彼女のような逸材はなかなか見つからない
仮に本命でなくても補佐役としては十分に務まる。バックアップがあればいろいろと助かるのは事実だ。

「一夏、少し話がある。更識は部屋に戻れ」

はいと言うとその場から逃げるかのように簪は部屋に戻っていった
確かにこの場の空気はあまり良いものではない。

「お前がコアを破壊したのか」

「俺はバイクで散歩に行っていただけだ。それに俺は生徒じゃない。どう行動しようが勝手だ」

そう言うとその場から去ろうとした

「一夏!なぜだ!」

「もう道は変わらない。俺は自ら選んだ。誰にも強制されず決断した」

それだけの話だというと俺は部屋に戻っていった