俺はココさんから購入した武器弾薬が入ったアタッシュケースを持って学園の廊下を歩いていた

「そう言えば簪。どこで寝る予定なんだ?」

「まだ決まっていませんが、どうしたら」

「なら引き続き寮の部屋で寝泊まりをしておけ。学園長には俺から話す。寮内の警備と言う名目でな」

「良いんですか?」

俺は問題ないと言った。寮の方にも警備をしておいた方が良い
夜の方が狙われるリスクが高い事もあるからだ
日中は多くの目撃者がいるが夜になれば警備担当者以外は寝静まっている
そうなれば侵入して破壊工作をする者もあらわれる
そう伝えると俺はココさんから預かったアタッシュケースを渡した

「もう1丁のグロック17とマガジンが3個に弾が100発。自分の身は自ら守れ」

「わかりました」

「それと毎日朝7時には射撃訓練施設に来いよ。銃の取り扱いの訓練だ」

俺の言葉に簪は分かりましたと言うとアタッシュケースを受け取った
それと俺からのささやかなお守りを渡した。お守りと言ってもかなり物騒なものだが

「最後に着替えたときに服の下に着ておけ。薄型だが9mmの弾までなら防いでくれる薄着用防弾シャツだ」

ありがとうございますと言うと簪は受け取った

「それじゃ、今はここまでだ。初勤務はこれからする事になるからな。荷物置いたら警備室に来てくれ」

俺の言葉に分かりましたと言うと急いで寮に戻った。俺は警備室に戻ると何となく銃の手入れをした
走ってきたのか簪が大急ぎで警備室に来た

「そこまで早くなくてもよかったんだが」

簪は腰にホルスターをつけグロック17を装備していた
とりあえずは携帯情報端末を渡した。何かトラブルがあればすぐに連携できるようにだ

「巡回に行くか」

「そうですね」

俺と簪は巡回に入った。巡回と言っても各種センサーが正常に機能しているかどうかのチェックだ
ただすべてを調べていたら時間がかかる。学園内には様々なセンサーがある。
だからこそ携帯情報端末を持って異変があればそこに急行する

「一夏さん、どうして弟子にしてくれたんですか?」

「そうだな。しいて言えば、俺は利用できるのは利用するタイプだからな」

「私もそうしろと?」

「そうだ。俺のような仕事をしていると自然とそうなる」

俺自身はそう思いたいだけなのかもしれない。本当なら弟子なんて取るつもりはなかった。
だが見ていられなかったのだ。あまりにも苦しそうな姉妹関係を

「あと、さん付けはいらないからな。同じ歳なんだからな」

そう答えると簪はこの業界に誘ってくれた先輩ですのでといった
あまりお勧めはしたくないのだが、本人が望むなら手伝うだけだ