俺は昼過ぎから学園長とともに今後の警備体制について話し合っていた

「一夏君、被害は?」

「人的なものが大きいです。壁などはすぐに修復できましが人材に関しては当面の間は厳しいです」

穴埋めができるとするならと聞いてきたので。金をかければできるが俺としては信頼できる仲間は少ないと答えた
確かにこの業界は信用だが大事だ。ただ、IS学園に利益を求めて警備に入るものもいる
簡単に言えばスパイということだ。身元調査をしなければならない
面倒な事ではあるが学園内の平和を守るためには、しばらくの間は教師陣にも協力を仰ぐしかない

「更識簪さんについては?」

「今外部で訓練を受けてもらっています」

まさかISを受け取りに行っているとは言えない。
表向きは簪は外部での警備訓練を受けているということになっている
もちろん、あちらでもいろいろと仕込まれてくるだろうが

「それで人的なものについてはどうするつもりですか?」

俺の言葉に学園長はあるリストを渡してきた。それは自衛隊からの臨時出向者リストだった
俺とは何度か会ったことのある人物ばかりだった。
この学園長の情報収集能力の高さはなかなかのものだと俺は思った
問題はどこまで知っているのかということだ

「どこまで把握を?」

「一夏君、君がISを持っていることまで把握しています。でもそれは伏せられているほうが良い。間違っていないと思いますが」

どこまで知っているのかわからない以上、下手に返答をするとまずいと俺は即座に判断した
俺は自衛隊からの出向予定者リストを持って学園長室を出て行った
廊下に出ると俺は大きなため息をついた。問題がまた降ってきたからだ
自衛隊出向者になったことは警備訓練をする必要がないということではありがたいが
俺のことを上司として認めさせるためには戦って理解させるしかないと思った
戦闘訓練をするのは良いが、いろいろと苦労が出てくる

「どうして俺のところにだけトラブルが来るんだ。幸運の女神に見放されているのかもしれないが」

1人ごとを呟きながら俺は警備室に戻った。まずこの自衛隊関係者について調べるためだ
万が一ということもあるので、いろいろな手段を使って情報を集める必要がある
俺は警備室で預かったリストから彼らの背後関係を調べはじめた
自衛隊の多くの関係者は俺と何度か関係を持ったことがある
もちろん味方としてだが。時には敵対するような状況になったが最終的には自衛隊側についた
彼らの正義が正しかったからだ
まだ俺のことを覚えているなら訓練は比較的簡単に済ませることができるだろう
相手は戦闘訓練を受けているのだから