俺は夜になって派遣されてきた自衛隊の隊員たちと話をすることにした
タイミングが良い事に簪も戻っていた。かなり疲れた表情をしていたが
彼女の持っているISも俺と一緒でドッグタグ状態が待機モードとなっていた

「どうだった。束さんは」

「厳しくてついていけないところも。でもしっかりマスターしてきました」

私も頑張りましたと言った顔をしていたので安心だなと俺は言った
俺はさっそく現状について話した

「自衛隊の方と話ですか?」

「ああ、すでに俺の知り合いが動いてくれている。今夜中には来てもらえる」

ただし日付が変わってからでないと行動はできないからなと言った
俺は少しぐらいは休めるだろうと伝えて、もう1つの仮眠室のベッドで寝るように簪に言うと大丈夫だと返してきた
まぁ、本人が大丈夫と言っているなら問題ないだろう。

「簪、わかっていると思うが俺とお前がISを所持していることは機密事項だ」

「篠ノ之束博士からも状況は聞いています。緊急時以外は使用不可だと」

さすがは束さんだ。短時間で素早い勉強をさせてくれたようだ
俺が持っている無線機に自衛隊の隊員が来てくれたと連絡が入ってきた
簪と一緒に俺は警備室に向かった

「自衛隊でも仕事をしていたんですか?」

俺はいろいろと経験はしていると答えるだけにとどめておいた
自衛隊やほかの国の軍事組織とはフェンリル先生と一緒にいろいろとしているからだ
話さないほうが良い事もある。特に今は。
警備室に到着すると迷彩服姿の陸上自衛隊の隊員がすでに集まっていた

「お待たせしてすみません」

「一夏君、こうやって面と向かって会うのは久しぶりだな」

今回派遣されてきたチームのリーダーである水野ユウ一等陸佐と早速話をした

「できる事なら皆さんにご迷惑をかけることは避けたかったのですが事情が事情ですので」

「すでに海上自衛隊からミサイル攻撃があったとの情報を得ている」

さすがは自衛隊内部では連携が取れているようだ。

「それで彼女が一夏君の相棒か?」

「ええ、まだまだ実戦経験は少ないですが優秀ですよ」

その言葉に俺がそんな表現をするということは本当に優秀な人間なんだなと返ってきた

「初めまして。更識簪さん。陸上自衛隊の水野ユウ一等陸佐です。よろしく」

初めて会うことを考慮してか。彼は優しそうな口調で話しかけた
簪も自己紹介を簡単にした。

「私の方こそよろしくお願いします」

簪の自己紹介が終わると猟犬の弟子になるとはなと彼は言った

「訓練は厳しいだろ」

「もう慣れました」

俺はその言葉を聞き簪にまだまだ厳しいのはこれからだと忠告した
簪にはまだまだ教えることがある。特にナイフを使っての戦闘訓練など
今までのはあくまでも銃の扱い方が中心だった