昼休み中だ。実戦訓練が行われるので俺は観客席から見ていた
実戦訓練中は特に警戒が必要だ。千冬姉が担当しているようだがなかなか厳しく訓練している

「あなたも参加したいんじゃないの?」

「楯無、殺されたいのか?お前と俺と勝負をしたらどうなるだろうな」

「私はこう見えても学園最強よ」

「ISに関してはな。だがお前には弱点がある。妹だ。俺にとってはどうでも良いが」

お前ならどう感じるだろうなと強気で言ってやった。するとすぐに感情をあらわにした。怒りの感情をだ
プロとしては失格だ。本当の暗部なら弱点を残すことはあってはならない
俺はそうやって鍛えられた。自分の弱点こそ、真の危機だと

「本気で言っているの?!」

「試してみるか?その本気ってやつを」

その言葉に楯無はまさに怒り心頭といった表情を浮かべた
プロとしては一流とは言えない。俺はすべてを捨てた。千冬姉に何かあっても俺は自分の身を優先する
そうやって生きてきたのだから

「切り捨てるのが上手なのね」

「俺はお前とは違う。一匹狼だ。契約を履行すればそれでおしまいの関係なんだからな」

「‥‥‥‥‥‥気を付ける事ね。私だってあなたの背中を狙っている事を」

「それはこっちも同じだ。俺はこの学園で篠ノ之箒を守る事が契約だ。それ以外の物に興味はない」

そうだ。俺にとってはここにいるのは束さんとの契約があるからだ。なければとっくにどこかに行っている
興味などないからだ。ISなどに。確かにココさんの言ったとおり皮肉な現実だ。
フェンリルからいろいろと教えてもらった時にココさんと1度だけ仕事をした。
なれない実戦だったが良い経験だった。その時だ。警報が鳴ったスタジアムのシールドが破られた
それと同時に俺の携帯電話に連絡が入った。束さんからの緊急連絡だ

「緊急ですね」

『ごめんね!でもその無人機は束さんが送ったものなの。もし危なくなったら助けてあげてくれない?』

「そのためにこの弾をくれたんですか?絶対防御を破る弾丸を」

『まぁね。いっくんの紹介してくれたやつに頼んで作ってもらったんだ!天才でしょ』

実はココさんから売ってもらった弾丸には特殊な製造工程でISの絶対防御をぶち破る事が理論上可能な物が含まれていた
ただし、実際に試し打ちするわけにはいかないので、一か八かの賭けになるが
おかげで値段が高かったが。もしそれだけのことがやってのけることができれば価値は数千倍に高まる
ISが絶対に安全という保証が消えるからだ。明らかに生徒たちは突然のことに戸惑っていた。それは千冬姉も同じだが
楯無はすぐにシールドをぶち破って観客席から内部に入った
俺はその開いたシールドから発砲しようとした。あの弾を使って
発砲した結果、反動がかなりかかったが威力は十分あった
絶対防御のシールドを貫通して弾はコアがある部分に命中した
すると大爆発を起こした。コアに爆弾でも仕込んでいたのかもしれないが
生徒たちが爆発したISに視線を取られているのを確認すると素早く銃をホルスターに直してその場から撤収した