IS学園 警備室取調スペース
簪と霧崎さんに身柄を確保された女子生徒は取調室に入れられていた
俺と彼女の2人きりだがマジックミラーで外部からは中は丸見えだ
これも公平性を保つための措置だ
「どうしてあんなことをした?」
俺の言葉に彼女は何も語ろうとしない。完全沈黙という黙秘権を行使するようだ。
俺としてはこいつをさっさと母国に送り返してやりたい
「私はただ・・・・・・・・・・・」
彼女は何も証言するつもりはないようだ。そこで母国に問い合わせることにした
これ以上問題を生じさせるわけにはいかないからだ
厄介事はさっさと処理するに限る。俺は霧崎さんに見張りを頼むと外で待機している簪と話をした
「簪、彼女の部屋の捜索を頼む。俺がするわけにはいかないからな」
俺の指示に簪はわかりましたと答えた。
確かに俺が寮の部屋を捜索するわけにはいかない
ここは今も寮で生活している簪に行ってもらう方がトラブルは減る
あとは簪から何か情報をもたらされればいいのだが
そこに水野ユウ一等陸佐が到着した
「さっそくトラブルのようだね」
自衛隊の彼らが到着して早々にこんなトラブルになるとは
俺も想定以上に何か裏があるということだ
「今、本国に問い合わせています」
もしただの専用機持ちに対する恨みだけならいいのだが
もっと裏があれば厄介だ。もしかしたら亡国機業とつながっているという可能性もある
俺としてもそういう事態は避けたい。今の段階で直接対立したくはない
だが時には攻撃も重要だ
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私は一夏さんに言われたとおり彼女の部屋を調べていた。何か怪しいものがないかどうか。
その様子を見られないようにするために女性の警備担当の人が廊下で見張ってくれていた
彼女のベッドサイドの引き出しを開けたとき驚いた
「これって」
私が見つけたのは上級生のIS専用機持ち、つまりお姉ちゃん達に対する攻撃マニュアルだ
まずは彼女がデコイになって警備担当を集める手順が書かれていた
「簪から一夏さん。IS学園への攻撃に関する文書を確認」
私はすぐに一夏さんに無線を入れた。すぐに証拠書類を持って退避するように指示してきた
さらに外に出ると火災報知機を作動させた。寮に残っていた生徒を避難させるようにとの指示も
私はすぐに退室すると外で待機していた警備担当の女性と状況確認。
次のお互いの行動を確認した
「私は生徒の避難誘導をするわ。簪さん。あなたは一夏君へ情報を持ち帰って報告を」
彼女と手順を確認すると私たちはすぐに次の行動を開始した
火災報知機は作動していたが。本当に火災そのものはないため放水装置などの自動消火設備の作動は確認できなかった
私はこのテロのマニュアル通りで私が犯人なら寮生全員を殺すプランを練っているはずだと思っていた
幸いなことに寮にはもうほとんど生徒はいないはずだが念のために作動させたのだ。
寮は空っぽになった。ただし学園に対する攻撃となると校舎も含まれている可能性がある
私は少しお姉ちゃんのことを心配しながらも自分の役割を忘れなかった
今の重要課題はこの攻撃マニュアルを一夏さんに持っていくことだ