IS学園 警備室

俺は警備室の取調室でマジックミラー越しに外から見ていた
取り調べを受けた女子生徒はまだ恐怖のせいなのか震えているように感じられた
当然と言えば当然の事なのだが
ISを破壊する。つまりコアを1つでも破壊すればその被害は国際関係にまで影響する
ただ、俺と簪は新規に束さんに依頼してISを製作してもらった
あまり強く言えないのが現状だ
取り調べをしている陸上自衛隊の隊員は少しずつではあるが情報を引き出してくれている
俺は生かすか殺すのどちらかしか考えない
立ち止まっていたら死ぬのは我が身なのだから
本国に送還したら刑務所か外交の材料にされるだけ
国家に真の友人はいないのだから
国同士が固いつながりを持っているという幸せな世界を想像しているならそれは間抜けだ
騙し騙されの戦場で戦っているのだから

「一夏さん。彼女の部屋を調べましたが攻撃に関する資料は確認されず」

「簪。隅々まで調べたんだろうな?」

「もちろん。シャワー室からトイレまで」

俺はなかなか徹底していると思った。まぁここでミスをするようでは死んでしまうが

「彼女の過去48時間の行動を各種センサーから確認しろ。他に仲間がいないか「不審な動きがないかですね」そうだ」

分かりましたと言うと簪は警備室の情報端末を使って調べ始めた

「一夏君。あとは政府に任せてもらえるかな」

「彼女を政治的道具に?」

俺は明らかにそうだと思った。表向き自衛隊はここにはいない。
だからこそ、政府上層部はこの事案を政治的取引として処理するつもりがあるのだ

「君に任せられている」

「少し待っていてもらえますか。先生に動いてもらっているので」

「フェンリルが動くとは君も無茶をする。残されるのは灰になる」

「今後、同様の事案を起こさせないためにも一定の処理が必要ですので」

俺はこれ以上問題は起こさせるわけにはいかないのだ
立場的にもそうだが。こちらの態度を明確に示すのにはよい機会だということも思っていた
俺が、猟犬がいるとなると各国が理解すれば簡単には手を出してこないだろう
そう言う事も計算に入れての俺の行動だ。フェンリル先生には実働を。俺は情報戦を展開するだけだ
警備室にあるテレビモニタに緊急ニュースが入ってきた
彼女の母国の政府関係者の政界辞任が発表されたのだ

「フェンリル先生に貸しを作ったことになるけど、あとは外から楽しませてもらおう」

「政府のお偉方にはとんでもないところに足を踏み入れたと後悔するだろうね」

一等陸佐の言うとおりだ。俺は彼女の国に爆弾を放り投げるようなことをしたのだ
これもIS学園への介入を阻止するためだ