「リリア様、お食事をお持ちしました」

アリスは執務机の上に持ってきた
私は執務机の机上に置かれた食事を食べ始めた
私のやることは毎日同じことの繰り返しだ。
朝食・昼食・夕食をたべて、散歩をする。
それが私の毎日の日常だ。最近はそこに城下町への散歩が加わったが

それでも日常に変化はほとんど変わる事はない
だが退屈な事は多いのだ。子供だって甘えたい。お父様やお母様にいっぱい甘えたい

「どうして私には甘えるチャンスがないんでしょうか」

「リリア様。あなたが大人になりすぎたという事もあるのではありませんか?」

「いつまでも子供であることも問題であると思うけどね」

私は確かに大人になった。だけどアリスの言うとおり大人になりすぎたのかもしれない。
お母さまからはもう少し甘えてもいいのにといわれることもあるが、それではだめなのであることは分かっている。
いづれは私はこの国を継ぐものだ。そのためには勉強が必要であることが分かってきた。
だからこそ、今もこうして様々な事に対して勉強を続けてきている。将来、私達の国の民を導くために必要な事は多い
将来私の行動1つで国が動くようになるかもしれないのだ。そして国の民に将来も決まってくる。
だからこそ、賢明な判断をしなければならない。いつまでも子供のままではいられないという事は間違いのない事実なのだ
大人になりすぎる事は、まだ10歳になったばかりの私には早いかもしれないが
フェンリルも大人のように扱うようになってきた。だからこそ私も変わろうと思ったのだ。
それもこれもすべてすべては私の将来のためだ。しかたがない

「ですがリリア様はまだ子供です。時には甘える事もお忘れなく」

アリストはそう言うと私の部屋を出ていった。
確かにまだまだ甘えたい盛りだが仕方がない。それに今日は扉の外には厄介な護衛がいる
フェンリルだ。彼がいる限り簡単に脱走はさせてくれるはずが無い
すぐに脱走の気配を感じると部屋に強行突入してくることは分かっていた
最近ではフェンリルは番犬代わりになっている。私が脱走すると思っているのだ
もうそんなことをしない程度に大人になったはずなのだが
私にはあまり信用がないようだ。まぁ、その理由はよく理解しているつもりだが
少し前ならいつも脱走計画を考えていたのだから、フェンリルが心配なるのも分かる
今はフェンリルが私の護衛役を担っている。普通の護衛騎士では私のわがままに引っ張られると思っているようだ
そこにドアが開けられて狼姿のフェンリルが入ってきた

「大人しくしているか?」

「フェンリル。私も大人になったのよ」

「そうか?俺にはまだまだ子供にしか見えないがな」

フェンリルはため息をつくかのように話を始めた。確かに私はまだまだ子供だが
態度は大人のつもりだ。ただ私よりも。
いや、今の私の家族よりも長生きしているフェンリルにとってはまだまだ子供なのだろう

「わかりました。私はまだまだ子供ですよ~」

私が頬を膨らまして不機嫌ですと言った表情で言うとフェンリルはそういうところが子供なんだと言った
わるかったわねというとフェンリルは私の執務室を出ていった
彼と入れ違いにお母様の護衛騎士が入ってきた

「姫様。国王様がお呼びです」