私は自分の部屋に戻るとベットルームにあるベットに横になった。
内心では嫌だった。お目付け役が付くようなものだからだ。
私は自由な世界で生きたいと思っているが。王族の肩書がどうしても邪魔をしてしまう
こればかりは捨てるわけにはいかない。守るべき国民がいるからだ

「どうしてこんなことになるの」

『トントン』

「誰?」

『来客です。国王様です』

「お父様!会いたいです!」

ではお通ししますというとドアが開けられた。すると、お父様が立っていた。
お父様の護衛もいたが私の部屋に入ると外で待ち始めた

「リリア、本当に苦労をかけるな」

「お父様が謝ることではないですよ!私がわがままばかり言うからこんなことに」

そう、私がすべていけないのだ。城下町に行きたいと何度も言うからこういうことになるのだ。
まだ国民には私の顔はあまり知られていない。だから、直接危害が加えられることは少ないかもしれない
でも守護騎士がついたという事はお披露目式があるという事だ。だからわがままばかり言うわけにはいかないのだ

「今度の式典で、リリアのお披露目会を行うことになった。覚悟はできているか」

お披露目会があるという事は貴族たちにも私の姿が目に触れるという事になる
となるともう以前のように城下町に行く事はできなくなる。だからその前に1度くらい行きたい

「はい。でもその前にもう1度だけ城下町に行きたいです!」

「わかった。守護騎士と一緒に行くなら認めよう。ただし彼から絶対にはなれない事が絶対条件だ」

「はいです!」

お父様にも立場がある事は子供の私にもわかっている。だからこれが最後のわがままだ。
私が楽しめる最後の。これが終わればもう私は国民を守るための勉強が待っている
それは私が王女として生まれたのだから当たり前のことになる

「では、夕食を一緒に食べよう」

お父様は私の頭を撫でると私の部屋を出ていった。残された私は再びベットに向かって横になった
明日は城を出ていくことができるかもしれない。それは今日の夕食の時のお父様との交渉次第だ
私も交渉術を勉強しなければならないのだ。それが国家のためになり国民のためにもなる

「さてと、私は勉強をすることにしましょうか」

私は執務のために配置された椅子に座ると、机の上に置かれた勉強用の本を読み始めた
これから必要になるための勉強だ。勉強を始めてしばらくすると再びドアがノックされてアリスが入ってきた
紅茶とお菓子をもってだ。少しは休憩をしろということのようだ。

「アリス、ありがとう」

「いえ、これが仕事ですから」

アリスは執務机上に紅茶とお菓子を置くと彼女は私の部屋を出ていった。
代わりにフェンリルが入ってきた。

「フェンリル、あなたまで私にお小言?」

「いや、お前がちゃんと静かにしているかと思ってな。怒っていただろ。お目付け役の守護騎士が付けられて」

ばれていた。どうやら私の考えはフェンリルには筒抜けのようだ。

「どうしてわかったの?」

「お前はいつもお目付け役が付けられるのを嫌っているだろ。だからすぐにわかった」

「確かにお目付け役が付けられて不満はあるけど仕方がないもの」

「お前も物分かりのいい女に変わったな」

「フェンリル!私は空気ぐらい読めるわよ!」

「そうか?俺にはまだまだ甘ちゃんだと思うがな」