夕食の時間を迎えて、私はお父様とお母様と一緒に夕食を取っていた
この時ばかり家族水入らずで過ごせる貴重な時間だ。この大切な時間が私は大好きだ

「お父様、今度本当に街に行っても良いですか?お披露目会がある前に行きたいのですが」

「そうだな。最近はまじめに勉強もしているから息抜きも必要だろう。ただし守護騎士をつける事が条件」

そんなことは分かっているし、計算済みだ。私だってバカじゃないのだから今の立場も理解している
私はお父様にわかりましたと返事をすると、夕食を食べて家族だんらんを過ごした
食べ終わるといつものように自分の部屋に戻った。ただしいつもと違う事がある
今まではアリスと一緒だったが、今日からは守護騎士が私のそばを張り付くことになった
すこし妙な感じだったがこれも我慢だ。お母さまから以前に言われた
王族は我慢しない事がたくさんあると
それでも生きていけるのは国民が私達のことを信じてくれているからだとも言っていた
確かにその通りだ。国民がいるから私達王族の存在があるのだ
そうでなければ存在するはずがない。そんなことを考えていると私の部屋に到着した
私はいつも通り室内に入るとアリスが待っていた。着替えを持って。私は室内にあるお風呂に入るために浴室に向かった。
アリスも一緒だ。私はアリスと一緒にお風呂に入るのが好きだ。物心ついたころから彼女とずっと一緒だったからだ
だから一緒にお風呂に入るのが当たり前だった。お母さまとも入る事もあったが忙しいときはアリスと一緒に入っていた

「リリア様。フェンリル様から今度街に行くときは気を受けろと言っていましたよ」

「何かあるの?」

「もう王族として認められる時を迎えるのだから警戒心は忘れるなと話していました」

確かにフェンリルの言うとおりだ。お披露目会があるという事は私の存在が国民にも知らされるという事だ
つまり狙われることが増えるという事になる。そのために守護騎士がつくのだが

「フェンリルは心配しすぎよ。私だってそれくらいは分かっているのに」

「あの方らしいです。フェンリル様はいつも王族の方々のことを守る事を専念しているのですから」

そう、フェンリルは城内の守護を担っているのだ。本気になれば城内の誰よりも強い存在なのだから

「フェンリルは警戒しすぎるのよ。今のこの王国で王族を殺そうとする人間は限られるわ」

「リリア様。あまりそういう事を大声で話さない方が良いですよ」

「良いじゃない。ここはお風呂。こんなところに何かを設置する人なんていないし。私の子供の体を見てもしょうがないと思うけど」

「リリア様。あなたはもっと広い視野で見るべきです。街には変態がいるんですよ。子供が好きな変人も」

「そうなの?」

私にはよくわからない部類の話だ。というか恋とか恋愛とかに興味がないのだ
私はまだ子供だからかもしれないが