私はとりあえず、本館にある食堂に向かった。時間はもう午後6時だ
ここでは食事はみんなで食べる物だというのがお母さんとお父さんの考えで、お客さんは食堂で食べることになっている
お仕事をしているみんなが食べられるのは彼らが部屋に帰った後だが。私はこの時間に食べるように言われている
私としてはお母さんとお父さんたちと食べたいけど。それでは寝るのが遅くなるからと言っていつもこの時間だ
もう19歳なのだからと思っているが皆にとっては私は子供のままのようだ。
私は仕方ないかなと納得して、いつも食堂のカウンター席で食べている。
1人様で宿泊する方向けにカウンター席が食堂には設置されているのだ。
私はいつもその席で食べている。私が食堂に行くと今日も10名ほどのお客さんがいた
カウンターにも数名のお客さんが。私はお客さんに交じってカウンター席に座ると厨房のおじさんが私用のメニューを出してくれた
この旅館では地元で採れたものをその日のうちに仕入れてその日のうちに料理してお客さんに出すことで有名なのだ
何度か全国版の雑誌にも乗ったことがあるほどの料理の味は定評があるほどだ。
ただ、私には毎日それでは飽きてしまうだろうという事で普通の家庭で食べるようなメニューが出されることが多い
私専用のメニューといわれるゆえんである。
おじさんにいつもありがとうございますとお礼を言うと食べ始めた
今日もおいしい料理でいつものようにゆっくりと食べていった。
食堂からは海が一望できるオーシャンビューとなっている。
綺麗な光景で今は夕日の代わりにつきが見え始めている。このあたりは街灯も少ないため星々の輝きも見えてくる
だから人気の旅館ランキングに入っているのだろう
夕食を食べ終わると私はごちそうさまでしたと言ってカウンター越しに食器を返すと自室に戻っていった
ただその前に私には大事な用事があった。本館と別館の間には小さな庭がある。
そこには私が世話をしているネコさん達が数頭住んでいる。元々は野良猫だったが私が引き取ったのだ
お母さんとお父さんはネズミが増えないからちょうどいいわと言って気にしていない。
私は1度自室に戻って通販で買っているキャットフードとミルク。そしてエサ皿を手にすると中庭に戻り、彼らにも晩御飯をあげた
最近になって新しい仲間が増えた。可愛い子猫だ。2頭の子猫ようにはミルクを晩御飯に食べてもらっている
彼らはとても人懐っこいので今までトラブルを起こした事は無い。それどころか。隠れた旅館の魅力になっていると
旅館でお仕事をしている仲居さんから聞いたことがある
まぁ私には特に関係のない事だが

「ゆっくり食べて大きくなってね」

私は軽く子猫2頭の体を撫でた
彼らが育ってまた愛されたらそれは良い事だ