その日は私はもう今日は晩いからと言って都内のホテルに泊まることになった。
ただ、私はある事をお願いした。無駄に豪華なホテルは避けてほしいと
私としては質素な部屋で良い。豪華な部屋など必要ないからだ
彼女は私の要望をかなえてくれた。ただ警備の都合上という事で豪華でもなければ質素でもない
ふつうのホテルとなったが。私は部屋につくともう1度手紙を読んだ。
愛してくれていたと。それが確認できただけでも私にとっては嬉しかった
見捨てていたわけではなく。ただ私の幸せのために我慢をしてくれていたのだと
それがどれほどつらい事だったのかは私には想像できない。私はとりあえずホテルの室内にある電話に手を伸ばした
お父さんとお母さんに連絡を取るためだ

『カオリか。心配したんだぞ』

「ごめんなさい。でも、来てよかったと思っている」

『会ったのか』

「うん。実のお父さんは少し前に死んでた。でもお父さんは私に手紙をずっとくれていたみたい」

『それでお前はどうしたいっと聞くのもおかしな話だな。カオリ、もう大人だ。そして自慢の娘だ。すっきりしてくると良いからな』

自分の気持ちにうそをつかずにはっきりと言ってこいとお父さんは慰めるかのように言った
私はありがとうと伝えて、また明日もこっちに泊まるようなら連絡するからと言って電話を切った
ベットに横になると私は考えた。実のお母さんに会ってみようかと。
電話ではあんな暴言を言ってしまったけど、もし許してくれるなら
でもなにもかもが今更のように思えているのは、どうしても外す事はできなかった
3年間という時間。それが私には大きな重荷だった
ただ、いつもよりも柔らかいベットに私はすぐに眠くなったので今日はもう休むことにした
明日のことはまた明日考えればいいと。
私はそう思っていた。

翌朝、私はいつも通り午前8時に目を覚ますことができた
どうやら私はベットが変わってもすぐに起きれるようで安心した
今日は実のお母さんと会うことにしようかと思っていた。記憶を失った私だ
顔すら覚えていない。そんな私を受け入れてくれるかどうかすら不安材料でしかなかった
服を着替えて窓近くにある椅子に座って外を見ているとドアがノックされた

『カオリさん。今良いかしら?』

私はすぐに大丈夫ですと言うとドアのかぎを開けに行った

「カオリさん、あなたの実のお母さまからもし会えるなら会いたいと」

「・・・・・・・・・・・私も、電話では酷い事を言ってしまいましたけど。それに記憶を失った私を受け入れてくれるなら」

「記憶の事も電話でのこともご理解されています。状況が状況でしたから。お会いになるならお送ります」

行きましょうというと彼女は私をエスコートしてくれた