第三新東京市立総合医療センターに救急搬送されてきた私達。
別にけがをしたわけではないが安全な場所に移す必要があるのは理解している
ユウさんの話によるとすでに病院内は監察局員が警戒している
些細なことも見逃すことが無いように

「それにしても、救急車の外壁を貫いてくるなんて予想外だよ」

「ユウさんにけががなくて本当に良かったですけど。もう少しで・・・」

そう、もう少しでユウさんは死んでいたのだろう。
私のとっさの行動が運をもたらしてくれた
残るはどこの組織の連中なのかである。ゼーレの分派の可能性は極めて高い
いくつにも組織が分かれているらしい。これはルミナさんから聞いた話だけど

「カオリちゃんを1人にするわけにもいかないね」

ユウさんはこの街のどこであっても安全であると断言できる場所がないことを懸念していた
それは私もわかっている。問題は今回の案件の対処法だ
強硬手段に踏み込むことは覚悟しなければならない

「それにしてもバカな連中ですね。ネルフ本部があるこの街で攻撃を仕掛けるなんて」

「それについては僕も同感だよ。だけどこれではっきりしたからね」

ユウさんの言いたいことはすぐに察しがついた
私は今も狙われている。それは今後も永久に続くかもしれない
それでも私は過去だけを見るのではなく、前を向く
つまり未来に向かって歩みだす
だからこの街に来て大学生になろうとしているのだ

「ユウさんも気を付けてください。私にとってルミナさんと同じで大切な家族だから」

家族だから誰も傷つくことにはなってほしくない
私は今を生きていられることにとても嬉しさを感じていた
ユウさんという大切な人を見つけることができたから
『私』が『僕』になった時に必ず止めてくれる
本当なら『私』と『僕』がしなければいけない『汚れ役』を引き受けてくれることもわかっている
だからユウさんのことを私はとても大切にしているのかもしれない

「カオリちゃんのために頑張らないといけないね。君を守るためにこの街で一緒に過ごしているのだから」

ユウさんの言葉を聞いて本当に顔が暑くなりそうだった

「大丈夫かな?」

「だ、大丈夫です!」

私は恥ずかしくて病室のベッドの掛布団で顔を隠した
本当に恥ずかしかった。だからといって嫌いでもない
むしろ逆の方である。私はユウさんのことが・・・・
そこにルミナさんが入ってきた。

「カオリ。大丈夫なのね?」

「はい。傷もないですし」

私がそう言うとルミナさんはこの個室病室の中で話を始めた
狙撃をしてきた連中は全員が自殺していたとのことだ
『失敗すれば死を』というのが計画だったのだろうとルミナさんは言っていた
この状況はあまりにも危険すぎることを意味していることは私にだってわかっている
ここまで急激に事を起こす連中がいくつも増えるとは想定外の出来事である