[ 第三新東京市 ジオフロント ]

ネルフ監察局長執務室

「君から直接アクセスというのは何か大きな問題があるのかな?」

私の前には渚カオルがいる
彼はネルフ内の情報をもたらしてくれる貴重な人物である

「アスカさんとレイさんが動いているようです」

その情報にため息をつきたくなってしまった。
問題が次々と発生する。ここはネルフのおひざ元であり、それは我々にとっても同じだ。
これ以上『彼女』と『彼』のことでトラブルは避けたい。
今はルミナが護衛している。それに『元ゼーレ』組の彼もいる。
こちらの守備エリア内から突破することは難しい。
だからといって安心できるわけではないので警戒は強めている。

「ネルフの監視の目は効果がないと?」

「子供のすることと言っても彼女たちは簡単にあきらめる気はないようです」

「過去ばかりを見ていると?」

私の言葉に彼はその通りですと回答した
過去は確かに大事である。だがそれを糧にして未来に進む事も重要である
未来に向かって進まないと彼女たちは変わることはないだろう

「ネルフの上は抑え込むことはできても子供はダメということかな?」

「そういう事です。それとゼーレの分派は今もかなり存在しています」

渚カオルの発言はわかっていた。こちらでもある程度の情報を得ている
ゼーレのかつての幹部が分派を作り出して裏社会で手を伸ばしている
遠くない時にこちらに敵対行動することは間違いない

「良い話ではないね。今のこの世界に不安定な要素は好ましくない」

「僕も同意見です。『彼』は自らの影響で大切な人に危害を加えられたときの想定委は考えたくもないです」

『彼女』が『彼』であることはゼーレも知っている
何を仕掛けてくるかわからない以上、最悪のシナリオを作成、
いつでも対応できるようにしておくことが好ましいと考えるのは当たり前である
これはこちらの問題だ。彼女が絶望するようなことになれば今のこの世界が崩壊する
ようやく安定になったのだからそれを守る義務が我々にはあるのだ
そのためには利用できるものはどんなものでも利用する
守るということは攻撃することと同じである
自衛だけでは意味がないのだ。積極的な自衛権行使が求められる
今がそれが求められる時であることは間違いない。

「ネルフ内の動きはどうかな?」

私の質問に彼は大人は子供と違って割り切っていると回答した
つまりネルフの大人サイドは問題ないということだ
問題なのはアスカさんとレイさんだけであるということになる
できれば問題行動をされるのは監察局としてもお断りしたいところではあるが
子供の行動は予測が難しいのもまた事実である