第三新東京市 地下ジオフロント ネルフ本部総司令官執務室
「碇、監察局との連携でそれなりのメリットはあるが、なぜおまえはかなり素直なんだ?」
冬月の言葉に私は無理に事を進めてきた過去があるから反論できるとは言えない
「我々は罪を犯した。だからこそ償うためにどんなことでもする。私の謝罪の道はまだ始まったばかりだ」
私はシンジにあらゆる不幸を見せさせてしまった
今更ではあるが少しでも謝罪できるならどんな形でも協力するまでだ
たとえ他者から見ても愚かなことだと言われたとしても、
私の茨の道のスタート地点についたばかりである。どれほど苦しくても歩みを止めるわけにはいかない
「確かにネルフには罪がある。汚点という名の。我々が発見したことでパンドラの箱を開けたのだからな」
南極だけではない。この第三新東京市にあるジオフロント。
そのもっともと地下にあるLCLプラントにはリリスの母体があった
それを利用した明るい未来を見ようとしたが、ユイを失い取り戻すために多くの犠牲を支払った
今は平和な時間が流れている。それはすべて『シンジ』が我々に最後のチャンスをくれた
私はそれで満足している。これ以上のことを望んだら欲張りすぎであることは間違いない
「私はこれ以上高望みをするつもりはない。ユイには申し訳ないが」
「ユイ君にとっては辛い道だな」
冬月の言葉は事実だ。ユイは今もシンジを追いかけている
もう取り戻すこともできないとわかっていても。
それでもその行動を止めることができないのだ
それを支えるのが私の役目だ。ユイを支える役割を
「シンジは私にチャンスをくれた。だからこそこちらも妥協するところを見つけなければならない」
「それはまぁいいがな。気を付けることだ。ゼーレの分派はまだ存在している事実に」
私もそのことは把握している。
ネルフを狙っているのは今もゼーレである。
彼らの残党は今も地下で潜伏状態で待っている
我々が行動を開始すれば連中も動き出すが狙いはおそらく彼女だ
『シンジ』である『彼女』にどんな方法で手を出してくるかは想像するのは簡単だ
悲劇を演出すれば暴走するかもしれない
そうなればまたしても世界が暴れまわることになるかもしれないのだ
これだけははっきりとしている事実である
最悪のシナリオを想定して動くことは私の中でも常に冷静に判断することが求められる
ネルフという巨大な組織のトップとして指揮監督するのは当然のことである
我々が負けるという結末は許されない。
二度とゼーレに好き勝手にされるわけにはいかないのだ
我々が守るのは世界の平和。使徒はいなくなってもエヴァというものは大きな武力だ
我々はそれらを数多く保有している
だからこそ狙われることはほかの人間から言われなくてもわかっている
「今は守ることを最優先にする。それだけの話だ」