俺たちはすぐにこの海域を離脱することにした
同時に人工衛星を利用して、ブルーマーメイドやホワイトドルフィンの艦船について、
こちらに何か問題が出るような行動をしていないか監視を始めた
これだけこちらに向かって攻撃してきたのだから、さらなる攻撃があることは容易に想像することができた
「ほかに攻撃してくるような艦船はいるのか?」
ソナーを担当している精霊さんはもう少し時間が欲しいと回答した
当然である。無弾頭魚雷とはいえ、直撃した潜水艦は大きなダメージになっているはず
無弾頭なのでスクリュー音による自動追尾で発射した
推進部分であるスクリューをやられたら行動不能になるだろう
「新たに方位312度から魚雷が2発接近中!」
俺はすぐに反撃のために対潜ミサイルを発射した
どこまでこちらとやりあうつもりかは知らないが
やられる前にやってしまう方が良いかもしれないと俺は本気で考えた
専守防衛ではなく積極的防衛に切り替えるべきかと
「直線で接近中。距離は1000m。付近に潜水艦がいる模様です」
ソナーを担当している精霊さんが報告してきた情報でもう我慢の限界を超えたと判断
無弾頭ミサイルでの回避ではなく『本物』を見せつけることにした
リスクがあることはわかっているがそれくらいの覚悟がなければこの艦を守れない
いつまでも無弾頭で対応しているような暇はない
「アストックを発射しろ!」
俺の指示に精霊さんは了解ですと返答してすぐにアスロックミサイルの発射を行った
「敵潜水艦から発射された魚雷が2本は完全に直線コースで進んでいます」
「探針魚雷でない限りはこちらとの接触コースを外れます」
ソナーで魚雷の推進音を観測し続けている精霊さんは冷静に状況報告をしてくれている
すでに魚雷はこの艦と接触するポイントは外れている。
「本当に戦争するしか道はないな」
戦争。表向きは自衛権の行使であるが、戦いというのは自衛と戦争は紙一重の違いなのである
一線を越えるか超えないかの違いで『言葉』は変わってくる
攻撃してきたのなら自衛権の行使には理由と認めてくれるはずと俺は考えるが
戦場では予期せぬ行動が大きな方向からくるかわからない
常に戦場にいるなら臨戦態勢を整えることが求められる
「こちらが発射したアスロックミサイルはどうだ!」
「まもなく接触します。本当に当てるんですね?」
「自衛権の行使だ。誰にも文句は言われるはずがない」
そう願っている。現実にどうなるかは結果を見なければわからないが